【訃報】 SF作家 ダニエル・キイス氏が6月15日に死去!! 〈2370JKI15〉

アル151J2D7ZscqL._SL500_AA300_『アルジャーノンに花束を』で知られる米国のSF作家、ダニエル・キイス氏が6月15日に86歳で死去しました。

『アルジャーノン~』も印象深い作品でしたが、多重人格障害(解離性同一症)の犯罪者を扱ったノンフィクション『24人のビリー・ミリガン』も、初めて読んだときは衝撃的でした・・・。

 

 

米国の複数の報道によると、代表作『アルジャーノンに花束を(Flowers for Algernon)』や『24人のビリー・ミリガン(The Minds of Billy Milligan)』で知られるSF・ノンフィクション作家、ダニエル・キイス(Daniel Keyes)氏が(現地時間)15日、フロリダ州の自宅で亡くなったそうです。86歳でした。また、死因は、ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると肺炎の合併症だそうです。

 

1927年に米国のニューヨークで生まれたダニエル氏は、雑誌編集者、コミックの原作者、高校教師などを経験した後に、作家としてデビューしました。

1959年に発表したSF小説『アルジャーノンに花束を』は、知的障害者の青年が画期的な脳手術をうけて、一度は天才的な知能を得ながらも様々な苦悩に直面し、やがては手術の欠陥から人間としての知能を失う過程を描いた感動作です。

当初は中編として「ファンタジー・アンド・サイエンス・フィクション」誌に発表され、1960年のヒューゴー賞 短編小説部門を受賞しましたが、1966年に改めて長編として出版され同年のネビュラ賞を受賞しました。世界的にも好評を得て複数回にわたり映画化されたほか、舞台化やTVドラマにもなり、日本でもベストセラーになりました。ちなみに、1968年の映画化作品『Charly(邦題/まごころを君に)』では、主人公のチャーリー役を演じたクリフ・ロバートソンがアカデミー主演男優賞を受賞しています。

他の小説作品には『五番目のサリー』(1980年)などがあります。また特に、多重人格障害(解離性同一症)と診断された男の生涯を描いたノンフィクション作品『24人のビリー・ミリガン』(1981年)とその続編『ビリー・ミリガンと23の棺』(1994年)などが有名です。

尚、『アルジャーノンに花束を』は日本国内でも単行本と文庫を合わせて320万部、『24人のビリー・ミリガン』は220万部が発行され、海外の作家として異例の人気を集めてきました。

1966年からオハイオ大学で英文学・創作を教えており、2000年に名誉教授になりました。昨年(2013年)に妻のAurea Georgina Vaquezさんを亡くしてからは、フロリダ州で娘さんたちと暮らしていたそうです。

 

中学生の頃に読んだ『アルジャーノン~』は忘れ得ぬ作品であり、それまでに読んだスペースオペラやハードなSF作品とは異なった世界感を持つ、読後に独特の余韻を残す感動作でした・・・。

-終-

 

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