英国の古代遺跡『ストーンヘンジ(Stonehenge)』で6月21日の未明から夜明けにかけて、恒例の夏至の祭典が行われた。
古代ケルトの民、ドルイド Druid 教徒の祭司役を務める人などを含めて、4万人近くが集まったという。
AFPが22日に伝えたところによれば、英国の古代遺跡『ストーンヘンジ(Stonehenge)』で21日未明から夜明けにかけて、毎年恒例の夏至の祭典が行われ、古代ケルトの祭司役など4万人もの人々が集まったそうだ。
『マンハッタンヘンジ(Manhattanhenge)』を紹介した6月1日付けの拙稿でも触れたが、毎年夏至の日に『ストーンヘンジ』では、ヒール・ストーンと呼ばれる高さ6mの玄武岩と、中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ることで有名だ。
『ストーンヘンジ』とは、英国南部のウィルトシャー州ソールズベリ平原に存在する巨石建造物で、環状列石(ストーンサークル)のことである。円陣状に並んだ直立巨石とそれを囲む土塁からなり、世界で最も有名と言っても良い先史時代の遺跡である。
新石器時代から青銅器時代まで数回にわたり建造が繰り返された結果、四重の環状列石が残っている。馬蹄形に配置された高さ7mほどの巨大な門の形の5組の組石(トリリトン)を中心に、直径約100mの円形に高さ4~5mの30個の立石(メンヒル)が配置されている。最大で50トンのサーセンストーン(珪質砂岩)は、約30km離れたマールバラ・ダウンズからコロとテコを使って運び込まれたとされている。
またその由来は、ケルト民族によるドルイド教の祭祀場説から、天文台説や王の墳墓説など多岐にわたり、現在では、ヒールストーンと呼ばれる石が夏至の日の出の方向と一致していることから、太陽崇拝と関係する祭祀遺跡とする説が有力ではあるが確定はしていない。また、ここに石を配した人々は、高い石組みの技術とともに高度な天文知識を持っていたといわれている。
中世の人々はアーサー王物語に出てくる魔術師の所業と信じていたとも伝えられ、ジョフリーのモンマスによると、魔術師マーリンが巨人を使役して作らせたとか、巨石をアイルランドのキララウス山から魔法で運んできた、などという伝説もある。
損傷が激しく往時の姿を想像するのは困難だが、古代人の偉大なる建造物であり、1986年に近郊のエーブベリーの巨石遺跡とともに、世界遺産(文化遺産)に登録された。
間違いなく、先史時代の文明を象徴する貴重な遺構である・・・。
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