紙工作のくず餅です。前回の記事では、使っている道具や、作った作品について書いてみました。今回から連載で作っていく過程をお伝えします。第1回になる今回は、小田急線の中でも最も小田急らしい、2600系を作っていく様子をお見せします。
小田急の2600系は通称NHE車と呼ばれていた車両で1964年から2004年まで使用されていた通勤電車です。塗装は登場時ダークブルーとオレンジイエローの塗り分けでしたが、1969年4月にアイボリーとブルーの帯の塗装に変わりました。
特徴は、正面の車両の行き先表示幕に手すりがあります。手すりはそれ以前の小田急の電車についていたものをこの車両でも採用しました。(この手すりも工作では表現したいと思います)。主に急行を中心に走っていましたが、2000年に廃車が始まりました。下の写真は唯一公開されている保存車両です。
最後まで残っていた2670編成に登場時のダークブルーとオレンジイエローの旧塗装を施して営業運転されていましたが、この編成も2004年6月5日のさよなら運転を最後に引退しました。但し、すべての車両が解体されてしまったわけではなくて保存された車両もあります。
先頭車だけですが、クハ2657が神奈川県厚木市の消防学校で訓練施設として保存されていますが、一般には公開されていません。そしてもう一両のクハ2658が、藤沢市の辻堂海浜公園に保存されています。こちらは運転台には入れませんが、車内には入ることができます。
今回はこの2600系車両を作ってみます。まずはトレーシングペーパーにインターネットなどで調べてきた画像をもとに車両の枠組みを書き写します。それを画用紙に書けなくなったボールペンなどで輪郭をなぞって転写します。輪郭を一旦写したあと、鉛筆でその線を清書していきます。
次に、写し取ったところを色鉛筆で塗っていきます。色鉛筆を使う理由は、実物の色に近いものを微妙に表現できるからです。
全体の色付けができたら、窓枠の部分をカッターで切り抜き、出来上がった正面を車両の側面に貼り合わせます。ちなみに側面は画像から書き写さずに、正面の大きさに合わせて自分で書きます。主に写真で見たものを参考に作成しますが、以前作ったものと窓の配置などが似ているものであれば、定規で測って流用することもあります。今回の車両は、以前作った同じ小田急の8000系の側面を流用しました。
貼り合わせる時は前面や車体の側面には曲線があるので、隙間が空かないように少しづつ折り曲げていきます。前面の曲面だけでなく、屋根のほうに向かってカーブしている部分もあるので、そちらもゆっくりと慎重に折り曲げていきます。
これで正面と側面が出来上がり、いよいよ接合です。薄い画用紙どうしなので、車体がすぐにしなってしまいます。そのため、接合面を補強する意味でも、裏にL字型の補強用の紙をあてます。木工ボンドで貼り合わせれば、正面と側面のできあがりです。
今回の工作はここまでです。次回は、床下から正面の部品をつけていく過程をお見せします。じっくりと作っていきますので、お楽しみに。
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