【マーケティング考~そこには心理学がある】 ザイオンス効果とは? 〈545JKI11〉

ザイオンス1engrossed-in-love_2937120モノを売るのも、異性の心を掴むのも、(たぶん)本質は同じです。そして心理学を学ぶことで、その本質に近づくことが出来るのです!!

 

 

今回は、随分と分かり易いオーソドックスなお話です。

人間は何度も繰り返し接触すると好感度が上がり印象が高まっていきます。このことは、1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが論文で発表したので『ザイオンス効果』といわれますが、日本語では『単純接触効果』ともいいます。

これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されることで引き起こされ、また、潜在学習や概念形成といった働きも関係しているとされています。

この効果の対象は人間とは限りません。人はテレビCMや様々な広告で何度も目にすることで、その商品やサービスへの印象が深まります。

この効果を活用して、商品やサービスの認知度を上げたり印象を高めたりすることは、マーケテイング活動の基本中の基本といってもよいものです。またその仕組みはシンプルながら、広告効果は絶大であると言えます。そして最終的には好感度が大きく上昇して、良い商品だと思ったり欲しくなったりするのです。

直接的な営業活動でも「顧客への訪問回数の2乗に比例して受注量が増える」という説もあります。取引先の人であっても、面談の回数が増えることで互いに好感を抱きやすくなり、商談がスムーズに進むというのです。

いずれにせよ、接触回数が多くなるほど、それが人であれ商品やサービスであろうが、その印象が深くなるのは確かの様です。

しかし、どの様な口実で顧客に接触するか? が肝心な点です。なるべく押しつけがましくなく自然な形で接触回数を増やしていければ、取引先や顧客の信頼を獲得し、延(ひ)いては売上の拡大に繋がるでしょう。

ちなみに、『セブンヒッツ理論』などというものもあります。具体的には、ある商品のCMに7回接触すると、売場でその商品を見つけた時にその商品を購入してくれる確率が高くなるという理論です。大きくは『ザイオンス効果』の範疇に入る考え方でしょうが、効果の発動点を7回と明確にしている点が特徴です。

 

当然、『ザイオンス効果』は、マーケティング活動だけではなく、対人関係(恋愛行動)などにおいても影響を及ぼします。

誰もが、頻繁に会う人や度々(たびたび)聞いている音楽などには、強い愛着を持つ様になっていきます。つまり、「何度も接触していると、その人やそのモノに親しみが湧き、自然と好きになる」ということです。

毎日顔を合わす人を好きになりやすく、逆に、遠距離恋愛になると心が離れてしまう人々が多い理由はここにあります。

恋愛心理学的な『ザイオンス効果』の証は、同じクラスやゼミ、サークル、そして会社、職場などでカップルが出来る確率が高いことで裏付けられている、といえましょう。

また 『ザイオンス効果』を恋愛心理学的に活用する上でポイントとされていることは、短い時間で多めに会うというもの。長い時間をかけて数少なく会うよりも、短い時間で(適度に)多く接触する方がより『ザイオンス効果』が発揮されるといいます。

 

但し、『ザイオンス効果』には大きな落とし穴があります。それは「第一印象」の段階での評価です。

特に人の場合、「第一印象」は、初対面で会った時の最初の6秒で決まるといわれています。

そして、一旦決まったその印象は、後々まで半永久的に変わらない、ともいいます。

「第一印象」で不快に思った人に対しては、その後、会えば会うほど不快感が募ります。つまり、『ザイオンス効果』が逆効果を及ぼして、より相手から嫌われていくのです。

つまり、何事にも極めて「第一印象」が大事、ということになります。「第一印象」が悪ければ『ザイオンス効果』も役に立たたず、ひたすら逆効果になるだけだからです。

 

マーケティング活動でも恋愛行動でも、「第一印象」とその後の「まめ」さが大事ということですネ。

準備万端、「第一印象」を整えて、最大限に『ザイオンス効果』を引き出しましょう!!

-終-

 

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