実は、エレクトロラックスは昔、筆者も扱っていたことのある懐かしいブランドだが、GEの白物家電部門がそのエレクトロラックスに身売りするという。
GEも創業時は白物(冷蔵庫や洗濯機etc.)から始まった。その事業部門を手放すのは残念だろうが、時代の変遷には逆らえない。選択と集中で会社の体力を強化するためには、創業部門の売却も止むを得ない・・・。
米国の大手総合電機メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)は9月8日、創業以来の事業である冷蔵庫や洗濯機などを製造する白物家電の部門を、欧州家電の大手企業、スウェーデンのエレクトロラックスに約33億ドル(約3,500億円)で売却することで合意したと発表した。
こうして、1900年代の初頭から続くGEの白物家電事業は、ついに百年以上の歴史に幕を閉じる。
ここ数年来、GEはグループ全体の経営効率をアップするため、収益性の悪化している事業部門の再編・統廃合や売却を進めてきた。白物家電の部門も2008年頃から売却先を探していた模様だ。
世界最大のコングロマリット(複合企業)であるGEの白物家電事業の昨年(2013年)の売上高は約83億ドルで、グループ全体の6%ほどの規模だ。白物家電の事業は安定性はあるが利益幅(2013年の家電事業の営業利益は約400億円)が小さく、将来の大きな成長や拡大も望めない。そこでGEは事業売却を決定したと思われる。
今後は、ますます成長し大きな利益が見込める社会インフラ事業やエネルギー関連、各種の産業向け事業へシフトすることになるだろう。
この6月には三菱重工業とシーメンスの連合を抑えて、フランスの重電大手アルストムのエネルギー事業の買収を成功させた。
一方、エレクトロラックス(Electrolux )は、スウェーデンのストックホルムに本社を置く会社であり、2013年の売上額は約1兆7,000億円で、従業員数は61,000人にのぼる世界的な家電企業である。
尚、エレクトロラックスは、GEの白物家電部門の買収により、北米地区での急速な販路拡大を目指している。
世界中の電機メーカーが生き残りをかけて合従連衡を進め、自社の強みを強化するための買収合戦を繰り広げている。
我が国の電機メーカーも是非、競争力を今一度取り戻して、世界を舞台に覇を競って欲しいものだ!!
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