「こんなところにレール?」ですが、一部の方からとても好評をいただいたので、第二弾をお届けします!
今回は上野駅と日暮里駅。いずれも歴史ある駅であり、それゆえホームにはレールが多く使われています。それでは早速、二つの駅を見てみましょう。
上野駅は「北の玄関口」と呼ばれる東京でも有数のターミナル駅。大正12年に着工したものの、その年の9月に関東大震災で大打撃を受けました。しかし大正14年(1925年)に竣工し、その年の11月には電車運転が始まりました。その後、駅の拡張や新幹線開業などによって駅の様相は時代とともに大きな変化を遂げてきました。
昔の痕跡を示すような遺構は減っているものの、特に山手線内回りと京浜東北線の下り電車が使用する1、2番線ホームは古くからの状態をよく残しています。ホームの柱は鉄骨を使用していますが、アーチ状の構造物がレールでできています。
これは開業当時の、古写真にも見られます。やわらかい曲線を多用したデザインは現代でも通用する美しさだと感じます。固定するためのボルト(リベット)によって重厚さも増しているようです。とにかく四方八方に伸びたレールの構成美がすばらしい!柱からホーム屋根に続く構成は他の駅にもありますが、明かり取りの天井が高く、レールの長さも十分に感じられます。
続いて、日暮里駅。ここも内回りおよび京浜東北の下りで使用している11番/12番ホームにレールを使用した構造物が見られます。上野~日暮里に続く一帯は、地形上でも崖の下を走るような形になっています。その擁壁に梁を留めるような形で、古レールが伸びています。
こんなところにもレールが使われているのだと、非常に珍しい光景です。また、隣のホームとの境界の部分に上野駅と良く似たアーチ構造の支柱が見られます。
余談ですが、日暮里駅は常磐線上下線、京浜東北線上下、山手線内/外回りの6線なのに、なぜ12番線まであるのか?それは以前は、東北本線や高崎線等もこの駅にホームがあったからです。私の愛用する66年の時刻表にも、しっかり日暮里が記載されています。(私も幼少時の記憶に、人のいない長いホームが横たわっていた光景をうっすら覚えています。)
日暮里駅は2008年に常磐線ホームの拡幅工事に伴って、古レールの屋根も撤去されてしまいました、新しく、広い常磐線ホームに比べると、11/12番線は薄暗く、古い感じを十分に残しています。それゆえ、歴史に想いを馳せるにはいい場所です。山手線は日暮里から先の区間にも古レール建造物が多いので、おいおい探検してみようとおもいます。
昔の姿を色濃く残す二つの駅は古レール建造物、必見の価値があり、です。通勤電車でいつも見慣れた景色でつまらないと感じている方も、よく見れば古レール建造物が見つかるかもしれません。
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