軍事用ロボット(2) 無人航空機の現状と今後 グローバルホーク編 〈3JKI07〉

グローバル1800px-Global_Hawk_1米軍グローバルホーク、三沢基地への一時配備が進む。 日本へのこの一時配備は、グアムでの台風シーズンを避ける為とされ、当面、週2回程度、アジア太平洋地域での偵察活動に当たる予定だ!!

 

 

米軍の無人偵察機グローバルホークの2機目が、グアムのアンダーセン空軍基地から5月28日午前6時過ぎ、米軍三沢基地(青森県三沢市)に飛来した。既に1機目は5月24日に到着しており、今年10月まで三沢基地に配備される。

15,000m以上の高々度から偵察活動を行うグローバルホークは、パイロットは搭乗せず無人で、地上からの遠隔操作で飛行する。

米軍は、北朝鮮や中国の軍事活動などを監視する為、無人偵察機グローバルホークを2010年からグアムのアンダーセン空軍基地を拠点に運用しているが、防衛省によると、グアム島周辺は頻繁な台風の発生によりグローバルホークの飛行・運用に支障が出やすい為、このほど日米両政府が合意により、内2機について毎年5月から10月までの半年間、青森県の米軍三沢基地に配備して運用することになった。

米軍の無人機が日本国内に配備されるのは初めてだが、これらのグローバルホークは、離着陸時は三沢基地内の地上設備内で担当のパイロットが操縦し、一定の高度以上になると、米国カリフォルニア州のビール空軍基地から衛星通信を通じて遠隔操作されるそうだ。

また、防衛省によると、米軍は週2回程度の飛行を予定しており、既にパイロットや整備士ら約40名の要員が三沢基地に移動を完了している。

RQ-4 グローバルホーク(RQ-4 Global Hawk)は、ノースロップ・グラマン社によって1995年から開発が始まり、1998年に初飛行した無人航空機。2003年から量産が開始、その後、米空軍などによって使用されて、イラク戦争以降に実戦投入された。MQ-1 プレデターやMQ-9 リーパーなどの無人航空機とは異なり、攻撃能力を持たない偵察専用機である。

新型のRQ-4bは全長14.5mで全高4.7m、両翼は39.9m。巡航速度は時速575kmで約30時間の飛行が可能とされている。実用上昇限度は高度18,288mだ。対空兵器の到達が困難な高々度まで上昇して画像情報や電子情報を集める。

高々度を長時間飛行する為に、全幅とアスペクト比の極めて大きなテーパー翼を持った、グライダーのような形をしている。翼の素材は炭素繊維複合材であり、胴体後部にロールス・ロイス社製AE 3007H ターボファンエンジンを単発搭載し、機首上部の盛り上がった部分には衛星通信用のアンテナが収められている。

RQ-4は機内に合成開口レーダー(SAR)、電子光学/赤外線(EO/IR)センサーを搭載し、各センサーは広域に渡っての捜索・監視活動が可能で、高解像度のスポット・モードを使用することもできる。

尚、プレデターは、2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故の際には、被害状況の把握の為、原発施設の上空を短時間飛行したという。

 
グローバルホークについては、我が国の航空自衛隊も3機程度を導入する方向で調整しており、運用については今回と同様に航空自衛隊三沢基地で実施することが検討されている。

-終-

 
 
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