お待たせしました、“「低体温」について調べてみました!!” の第2回です。いよいよ低体温の改善方法を紹介していきます。また、「低体温とダイエット」や「冷え性と低体温の違い」についても言及します。
前編はこちらから ⇒ 【健康生活】 「低体温」について調べてみました!! (1) 低体温の改善方法
低体温の改善方法
低体温を改めるには、食事や運動といった生活習慣の改善により体温を上昇させる必要があります。日常の生活を見直して低体温を改善しましょう。
■食事に関すること
腹部が温かいということは、身体全体を適度な温度に保つ大切な条件の一つです。そこで加熱調理した温かい食材を意識して摂取するようにしましょう。温めたお茶などの飲物の効用も高いものがあります。
冷たいものや甘い食物はあまり食べないようにしましょう。糖分をとり過ぎると、血液中に血糖や中性脂肪が増えて血行が滞り、低体温を招きます。そこで、甘いものはできるだけ食べないようにします。
朝食は必ず食べるようにします。朝食で取り入れた食物が直ちに熱エネルギーとして発散されるので、体温を上昇させて身体を冷えにくい状態にします。
お酒の飲み過ぎには気をつけましょう。低体温を引き起こすだけではなく、万病のもとです。
バランスのとれた食事を摂ることで、低体温を防ぐ必要不可欠な栄養素の補給を心掛けます。必要不可欠な栄養素とは、亜鉛・鉄・セレンなどとビタミンB1・B2などのビタミンです。また、たんぱく質の摂取は筋肉を強化し、熱量の増加に繋がります。
低体温の改善に役立つ食品は、チーズ、卵黄、大豆、納豆、きな粉、豆腐、そば、ゴマ、緑茶、抹茶、カシューナッツ、アーモンドなどです。また亜鉛は、肉類、魚類(うなぎ)、(牛肉(もも肉)レバー(豚・鶏))穀物(黒米、赤米)などに多く含まれます。
発酵器官である腸内では、腸内細菌の影響で発酵が進んでいます。それにより腸内温度が適度に保たれ、腹中(内臓)の温かい状態が維持されます。そこで是非、腸内細菌、特に善玉菌を腸内で育てて、腸内細菌のバランスを整えましょう。
■運動に関すること
運動をして低体温を改善しましょう。運動不足により筋肉量が低下し、血液を送る筋力が減少してしまいます。このことが低体温の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えます。筋肉量が増加することで血液を送るポンプ機能が強化され、全身に血液が行きわたるようになります。また同時に基礎代謝機能も回復させましょう。
運動により血行が促進され、また発汗によって代謝も高くなります。脂肪の燃焼効率も高くなりますから、併せてダイエットにもなります。
体温の40%以上が筋肉で生成され、その筋肉の70%以上が腰から下の下半身にあるため、下半身を重点的に鍛えます。そのために、ウォーキングやスクワット、スロトレなどを行いましょう。時間的・体力的に困難な場合は可能な範囲でストレッチなどを行い、少しでも血行を良くするように心掛けましょう。
《おすすめストレッチ》
・かかとの上下運動 : 両足を少し開いた状態でまっすぐに立ち、かかとの上げ下げをするだけの簡単ストレッチです。
《おすすめエクササイズ》
・スロトレ : スロトレとはスロートレーニングの略で、文字通り“ゆっくりとした動作”で行うトレーニングです。原理的には加圧トレーニングに近く、筋肉を収縮させた状態を長く保つことによって血流を制限します。筋肉への血流が制限されることで、筋肉に大きな負荷がかかっていると脳に錯覚させて筋肉の成長を促します。筋肉が強化されることで脂肪分解も促進され、体温が上昇するスロトレは、加圧トレーニングなどのような器具・道具も必要はなく、自らの肉体(筋肉)のみで血流を制限することが可能です。
・セル・エクササイズ : セル・エクササイズ(“チエちゃんの【健康生活】”で別途取り上げる予定)もお薦めです。
■生活習慣に関すること(食事・運動以外)
生活習慣の改善で低体温を改善しましょう。特に規則正しい生活を送ることが大切です。
風呂では湯船にゆっくりと浸かりましょう。シャワーだけで済ませるのではなく、湯船にきちんと入ることで、全身の血流を良くして、新陳代謝を促し体温の上昇を図ります。
気温をしっかりと身体で感じるようにします。夏の暑さ、冬の寒さを体感して、体温調節機能を復元しましょう。
過度な冷暖房を控えます。夏は28度まで冬は18度程度とし、暑さ寒さは着衣で調節しましょう。
普段から服を多めに着るようにしましょう。但し、身体を強く締めつける服装は避けます。できるだけ体が冷えないような服を着たり、体が温まるものを身に付けるるようにします。特に腹部や下半身が冷えないように気をつけます。
換気をこまめに実施して新鮮な空気の取り込みに注意します。2時間に1度くらいは換気を行い外気と室内の空気と入れ替えましょう。
良質の睡眠をとるように心掛けましょう。睡眠時には寝室を暗くして温かくした状態で7時間以上は睡眠をとるようにします。
タバコは控えましょう。タバコは急激に血管を収縮させ血流を悪化させるとともに、基礎代謝も低下させてしまいます。
またマッサージを受けることなども、効果があります。
低体温とダイエット
低体温の人はダイエットがうまくいかないことが多くあります。
体温が1度下がると基礎代謝は10%ほど低下します。平常の体温が36.5度の人と、1度低い35.5度の人とではカロリーの消費量にかなりの差がつきます。つまり同じ食事を摂っても、低体温の場合は体重が増えやすくなってしまうのです。
代謝などの体内活動全般には酵素が大きな役割をはたしています。酵素は、その活性に最適な温度があり、一般的な平常体温(平熱)である36.5度~37度が最も活性化された状態となります。しかし低体温の場合、酵素の活性が低下してしまい脂肪が燃焼しにくくなります。また体脂肪率が高い人ほど低体温体質になりやすいともいわれています。
乱れた食生活や無理なダイエットでは、よりミネラル・ビタミンは不足していきます。このミネラル・ビタミンの不足が低体温を引き起こす重要な原因になっています。
「冷え性」と「低体温」の違い
冷え性は、実際にからだの表面の一部、例えば手足や下腹部、臀部などが冷えることで自覚しやすいのが特徴です。一方、低体温は、たしかに冷え性と症状が似ていますが、冷え性の場合のようにハッキリと身体が冷えていると自分自身で感じることは少ないようです。これは体の内部も含めた全体的な温度低下のため、局所的な冷えを自覚しにくいためです。一部分の冷えとは異なり、体全体が冷え、平常体温(平熱)が35度台の状態がつづく場合を低体温とします。
低体温で且つ、冷え性の人も多くいます。冷え性の症状から低体温でもあると疑うことは可能ですが、冷え性ではない場合は、上記のように低体温であるということが自覚できないケースが多いようです。
特に女性の場合は、排卵前の低温期が非常に強い人もおり、このようなケースでは低体温かどうかはより判断しにくいようです。
正しい体温計測
体温を測るのは、通常、風邪等の病気に罹った時ですが、本来は常時定期的に計測することが望まれます。これにより低体温などの症状に気付くことも可能となります。
具体的な計測方法は、脇の下に体温計を下から挟む(ななめに差し入れて挟むような感じ)ようにし、この時、体温計を挟さんだ手のひらを上に向けるとよい、といわれています。
低体温を改善するためには、どれか一つだけの対策に集中・限定してもあまり効果は期待できません。全ての改善策をバランス良く実行していかないと、体温を上昇させる体質変換にはならないからです。
しかし一度に全ての改善策に取り組むことは難しいため、特に改善したい部分からトライしてみることをお勧めします。徐々に課題をクリアしていけば、低体温体質は必ず変化すると思われます。
-終-
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