日本動画協会(AJA)が先月(9月)刊行した『アニメ産業レポート 2014』によると、昨年(2013年)の国内アニメ産業市場の規模は1兆4,913億円となりました。
また2013年の特徴は、アニソンコンサートやイベント、アニメ博物館や展示会などの入場料売上が大きく伸張したので 、新たな項目「ライブエンタテイメント」として独立して取り上げたそうです。
今回の【ちょこっとニュ~ス♪】は、組合員2号のニーゴの妹、少女漫画とアニメが大好き、宝塚のファンでもある、ちょこっとニュ~ス配信組合員5号のゴロニャンがお送りします。
一般社団法人日本動画協会(以下、AJA/The Association of Japanese Animations)は、アニメーション製作の技術開発、同マーケット情報の調査と発信、著作権保護の研究と実践や各種関連団体との協力・調整やアニメーションに係わる様々な研究などに取組んでいる、アニメ制作会社などで構成された業界団体とのことです。
また、海外との交流を通じて日本のアニメーション文化を紹介すると共に技術協力を推進して、アニメーション産業と文化の国際的な振興と発展を目指して活動しているそうです。
このAJAが、2009年より刊行を続けている『アニメ産業レポート』(アニメーション業界の各年毎の概況、市場調査結果の統計資料集)も今年で6冊目となりました。そして最新刊の『アニメ産業レポート 2014』によると、アニメ産業も過去のピーク時の2006~2007年を超えて、「アベノミクス」に伴う景気回復を受けて、2013年の市場規模は前年比8.7%増の1兆4,913億円と大変好況に推移したと云います。
ところが、来年以降に向けては市場の更なる好調を期待するとともに、逆に2016年頃には、制作現場のキャパシティが破綻するのではないかという予測さえあり、注意を促しているのです。
たぶん、質と量の関係、つまりこのまま作品数が増え続ければ質の低下を招く恐れがあり、いたずらに粗製乱発していては業界自体の浮沈に係わるとの主張だと思われます。そしてそこから、能力の高い業界人の育成が急務である、とのことに繋がるのでしょう。
また、2013年のアニメ業界の特徴の一つには、ネット配信によるアニメ流通が増えて来たということだそうです。二つ目には、統計項目に「ライブエンタテイメント」を増やしたことで、この項目の対象となるのは、アニソンコンサートやイベント、アニメ博物館や展示会などの入場料売上といったものと説明されていますが、集計した市場金額は既に無視できない規模だったそうです。
『アニメ産業レポート 2014』の具体的な内容としては、商業アニメ制作企業の売上やテレビアニメの制作分数・テレビアニメタイトル数の推移、劇場アニメ興行収入、ビデオグラム出荷高やアニメ配信市場、海外動向の分析などがあげられます。
【目次】
はじめに
執筆者一覧
1. 2013年アニメ産業総括
1-1. 市場動向概観
1-2. 国内アニメーション産業 企業動向から見る潮流
1-3. 注目の動向
2. 各分野解説
2-1. TVアニメ
2-2. 劇場アニメ
2-3. 映像流通
(1)総論
(2)ビデオパッケージ
(3)ネット配信
2-4. アニメ商品化等二次利用
2-5. アニメ音楽
2-6. ライブエンタテイメント
3. 海外動向
3-1. 世界の中の日本のアニメ
4. 動画協会活動報告
4-1. アニメ産業市場拡大に向けた動画協会の施策紹介
4-2. 2013年人材育成ワーキングの活動
資料① 日本のアニメ市場(業界・産業)の推移
資料② 日本のアニメ業界・アニメ市場の近年の動向
資料③ 日本のアニメの海外展開
資料④ 日本のアニメ制作会社の分布
【参考 】
『アニメ産業レポート2014』は、発行元:一般社団法人日本動画協会、発行日:2014年9月12日。A4、66ページに+折込図表4面がついて3,000円(本体)。
東京・秋葉原の東京アニメセンター オフィシャルショプ(東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX2F)、@akiba info.で購入可能です。また、SPIインフォメーションのwebサイト〈http://www.spi-information.com/report/09622.html〉にて通信販売もしていますが、こちらは送料が別途100円必要となります。
本書は、アニメ業界の基礎データや現状把握に活用出来る内容です。
業界関係者は勿論のこと、これからアニメ業界を目指す人にも役立つに違いありません。
-終-