こんなところにレール?遺しておきたい光景 その3 遠すぎた橋!?〈17/38TFU03〉

 20141102_122035レールで作った橋がある、それも山手線を跨ぐ現役の橋が!そんな情報を入手して、期待を胸に目黒に向かいました。最近ではビルの鉄骨さえレールに見えてしまうほど重症な私。はたして、今まで取り上げたようなホームの柱を上回る壮大なスケールの建造物を目にすることが出来るのでしょうか。

竣工は1926年といいますから、約90年前!日本国内に現存する数少ない古レールを構造材に利用した跨線橋です.歴史的建造物ですね。私は、以前からこの橋の存在自体は知っていました。

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日本でも貴重なレール橋。イタズラ書きが残念!

かつて兄弟シンガーの狩人の「アメリカ橋」という歌があって、「目黒と恵比寿の間にあーるー♪」という歌詞が妙に耳に残っていました。かつて、通勤でこのルートを利用していたころは、山手線の窓から外を眺めては、この橋がそこだと思っていました。(実はまったく違います)あと、1991年に放送されたフジテレビのドラマ 『東京ラブストーリー』で、主人公リカ役の鈴木保奈美が、織田裕二扮するカンチに有名な台詞を言ったのがこの橋の上だそうで・・。それは知りませんでした。

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奥が埼京線。掘割構造のアーチが綺麗です。

さて、その橋は目黒駅から恵比寿駅に向かって5分ほどの地点にあります。駅を降りて線路沿いを辿っていけば良いのですが、線路沿いの道が無い為に一旦は目黒通りから住宅地に入り、火災警報器で有名なメーカーである「ホーチキ」社のビルの前を抜け、突き当たったあたりに見えてきます。

良く見れば古レールによる美しいアーチが、今まで見てきたホームに利用されたレールの曲線とは違ったおもむきがあります。なんとか橋の全景をきれいに見たいのですが、事故防止のためなのか高いフェンスがたちはだかります。極めて鑑賞しにくい状況です。まるで狭い籠に閉じ込められた鳥のようです。これではこの橋が、歴史ある貴重な建造物であることを知る余地もないでしょう。あるいは私のように、期待満々でわざわざ見に来ても失望してしまうのではないでしょうか。

それでも折角来たのだからと、フェンスの金網の間にカメラのレンズをつっこみ、なんとか撮影しました。もっと近づいてみたいのですが、無理なようです。地形だけではなく、住宅・フェンスなど阻害要因が多く、窮屈な感じが強調されてしまいます。正直、スケールの大きさや、芸術的な構図を期待していたのですが、全く違ったというのが感想です。

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立派なプレートが掲げられています。それにしても「桟道」とは?

橋の入り口には風情のある絵が描かれたプレートが取り付けられているなど、他の橋とは違うのだという片鱗はうかがえるのですが。橋の正式名称は「白金桟道橋」場所は目黒、橋の下には山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線など様々な車両の行きかういいロケーション。歴史ある橋と鉄道の絶景ポイント!もうちょっと綺麗にして、橋のライトアップ、なんていう日がくるといいですね。このままひっそりと残してしまうにはとても惜しい気がします。

 

訪れたのは休日の昼下がりでしたが、犬を連れて散歩に来る人、近所の親子といった感じの人としか会いませんでした。橋は人がすれ違うのがやっとといった、普通の橋。日常の風景に溶け込み、普通の人にはわからない名所ですが、これからも大事に残っていってほしいものです。

 

 

 
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