「ギタ女(ジョ)」とは、ギターを弾きながら歌う女性シンガーソングライターのことであるが、いまや音楽業界全体も注目する大きなトレンドにまで発展している。指折り数えてみると、その数の多さに驚くだけでなく多種多様な音楽性を持った娘たちがデビューしているではないか・・・。そこで日本エンタテインメント総合研究所(エンタ総研)の協力で、主なギタ女たちを3回に分けて紹介することにした・・・。
現在の我が国の音楽業界、特にPOPs界を牽引しているのは、AKBグループを始めとする美少女アイドルブームだという事は間違いのない事実であろう。しかし次代の音楽ムーヴメントの兆しを常に探している業界人にとって、何がその次の一つと成り得るのかという事は重要なポイントである。
こうした中で、「ギタ女(ジョ)」というジャンルもその可能性を持つ一つかも知れない。昨今の音楽シーンではギタ女が花盛りであり、有力なブームとして無視の出来ない勢力となってきただけではなく、その勢いは更に力を増すばかりにみえる。
とは言っても、その音楽スタイルは様々で、J-POPやフォーク調のもの、かなりロックよりだったり、アイドル系ありダンスミュージック的なものなど、多種多様なスタイルで自らの音楽を発信している。
2005年にデビューし、中高生を中心に爆発的な人気を集めたYUI、その後、同様の路線で活躍したmiwaの登場で、若い女性にギター弾き語りスタイルが広がった。また既に、彼女らを聴いて育った中高生が成長して次世代アーティストとしてデビュー、次々に活動を始めているのだ。
そこでギタ女特集の第1回目として、最近のブームの火付役であるYUIやmiwa、そして彼女らに続く王道の若手ギタ女を紹介していくことにする。
YUI
福岡県出身。2004年から2012年まではシンガーソングライターとして活動し若い女性を中心に大きな人気を得た。また、現在のギタ女ブームは彼女から始まったと言っても過言ではない。2013年からはロックバンド『FLOWER FLOWER(フラワーフラワー)』のボーカリスト兼ギタリストとして活動している。代表曲は『CHE. R. RY』、『Rolling star』、『HELLO ~Paradise Kiss~』、『again』、『Good-bye days』など多数。
miwa
神奈川県の葉山町で生まれ、その後、東京で育つ。15歳の頃、SHERYL CROWやCarole King等の女性シンガーソングライターの影響を受けオリジナル曲を作り始めた。その後、大学1年生でシングル『don’t cry anymore』(2010年3月)にてデビューを飾る。代表曲は『ヒカリへ』、『ミラクル』、『片想い』、『441』、『chAngE』など多数。
山崎あおい
札幌市出身で、YUIに憧れたのがきっかけで中学1年でギターを弾き始め、14歳から曲作りを始めた。2012年8月22日にアルバム『ツナガル』でメジャーデビュー。代表曲に『Just Friend』、『ツナガル』など。ギタ女の次代を担う本命のひとりだ。
住岡梨奈
北海道札幌市出身で、高校時代からギターを持ち、オリジナル曲を制作していた。2012年6月20日、シングル『feel you』をリリースしメジャーデビューを果たす。また、フジテレビ系テレビ番組「テラスハウス」にレギュラー出演をしていたことは有名。代表曲に『言葉にしたいんだ』、『Hello Yellow!』、『ナガレボシ』など。
藤原さくら
福岡県出身。10歳の時、(父親からもらって)ギターを始めた。小学生の頃からYUIに憧れて、高校1年生の時に初めて曲を作る。「和製Norah Jones」とも言われエンタ総研も期待の成長株だ。2014年3月5日に、インディーズながら初のフルアルバム『full bloom』をリリース。
chay
東京都出身で、小学生の頃から曲を作り始める。2012年10月24日、CMソングに起用されたシングル『はじめての気持ち』でメジャーデビュー。彼女もテレビ番組「テラスハウス」に、本名の永谷真絵でレギュラー出演していた。また、2014年からはCanCam専属モデル。代表曲には『Twinkle Days』などがある。
中村千尋
熊本県八代市出身で、13歳の頃から作詞・作曲を始めた。高校では友人や先輩とバンドを組み、地元熊本を中心にライブ活動を展開。活動休止中の音楽ユニット「たらりらん」のメンバーだが、現在はソロで活動中。代表曲としては『友達』など。
Suzu
沖縄県那覇市出身で、小学6年生の時に父親からギターをもらったのが切っ掛けで音楽を始める。2014年2月、ミニアルバム『step by step』でメジャーデビュー。コップでリズムを刻むパフォーマンス「カップス(CUPS)」を取り入れた歌で注目されている。代表曲に『うそつき』、『別れみち』など。
ももちひろこ
福岡県福岡市出身。大学時代に自宅にあった父親のギターを取り出し、独学でギターを学んだと云う。2011年2月9日に『明日、キミと手をつなぐよ』でメジャーデビュー。代表曲に『桜ナミダ』など。
大原櫻子
東京都出身。 17歳の時、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の主役オーディションでヒロイン理子役に5,000人の中から選ばれた。2014年11月26日、シングル『サンキュー。』でソロデビュー。また第56回日本レコード大賞の新人賞を受賞し、いまノリノリのシンデレラガールである。但し、彼女の場合はギターを弾きながら歌う歌手ではあっても、ソングライターではないので厳密にはギタ女とは言えないだろう・・・。
新山詩織
埼玉県出身で、小学生の頃から70〜80年代の洋楽や和製POPsを聴いて育ったと云う。中学時代にはガールズバンドでリードギターを経験。2012年、高校2年生の春に「Treasure Hunt 〜ビーイングオーディション2012〜」でグランプリを受賞した。2012年12月12日にはシングル『だからさ 〜acoustic version〜』でデビュー。その後、2013年4月17日には『ゆれるユレル』でメジャーデビューを果たしたエンタ総研イチオシのギタ女だ。代表曲に『Don’t Cry』、『ひとりごと』など。
もう一曲、新山詩織の動画をどうぞ・・・。
アマチュアの世界でもギタ女が増殖中だと云う。東京の大手楽器店ではここ数年、若い女性の楽器購入者が増加しているらしい。特に10代~20代前半を中心にギターを買う女性が明らかに増えている。またギター教室に通う女性も増加しているらしい。
更に各種の音楽コンテストでも、女性のギター弾き語り出場者が多くなり、最近では全体の30%にものぼると云う。ギタ女は詞の世界観や表現力に優れており、バンドという集団のパフォーマンスには劣るものの、その歌唱力やメッセージ性では決して負けていない。
またプロとしてデビューを飾っているギタ女たちは、皆一様にカワイイ。一昔前ならば、(失礼ながら)ファンの側も女性シンガーソングライターにはそれほどルックスを期待しなかったものだ。
しかしアイドル並みのルックスを備え、ギター1本で独自の世界観を表現できるギタ女は、男性人気に支えられたアイドルグループ全盛の音楽シーンにおいて、そのカウンター的立場を強めながらその存在感をより強固なものとしており、今後も女性ファン(や男性ファン)の支持に支えられながら人気を拡大していくだろうと思われる。
現在のアイドルグループが「身近な存在で誰もが会いに行ける」ブームとするならば、ギタ女は「自分でも表現者の側になれる(かも知れない)」ブームなのではなかろうか。
ご紹介したメンバーを観て頂ければ、女性シンガーソングライターにも「ギタ女」というキャッチーなフレーズが定着して、確実に次代の音楽ムーヴメントの候補になっていることがお分かりと思うが、如何であろうか・・・。
-終-
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