いよいよ、待望のオープンツーシーター『S660』がホンダから発売になる。
軽自動車のスポーツカーとしては、『ビート』以来、19年ぶりの復活だ…。
3月30日、ホンダは2人乗りのオープンミッドシップスポーツカー『S660』(エスロクロクマル)を4月2日から発売すると発表した。軽自動車のスポーツカーとしては1991年~1996年にかけて生産、1996年には販売を終えた『ビート』以来、19年ぶりの復活となった。
このクルマは、車体中央部にエンジンを置くミッドシップタイプの後輪駆動方式で、『S660』という名称はエンジン排気量の660ccからネーミングされた。また因みに、幻の『S360』を経て1963年(昭和38年)に発売したエンジン排気量500ccのスポーツカ―『S500』以来、「S」はSportsのSであり、ホンダのスポーツカー伝統の形式名となっているのだ。
搭載されるエンジンは、同社のN-WGNなどと同様のS07A型直列3気筒DOHCエンジンのターボ仕様だ。ターボチャージャーの採用とバルブスプリングの強化といったチューニングで、最高出力は(自主規制値の)47kW(64ps)/6,000rpmを発生し、今回の『S660』への搭載ではN-WGNのトルク重視のチューンから高回転タイプに改変され、レブリミットは7,700rpmとされている。
トランスミッションは、新開発の6速MT(柳河精機と共同開発)と7速モード付&パドルシフトのCVT(ホンダ製)の選択が可能だ。
またサスペンションは、4輪ストラット式(フロントはマクファーソン、リヤはデュアルリンク)を採用。このストラットの利点はサスペンションストロークがたっぷりと取れることであり、タイヤは前後異径型で前輪165/55R15、後輪195/45R16となっている。更に組み合わせるアルミホイールはトレンドを意識した切削型だ。またブレーキは、前後とも260mmφのディスクブレーキを採用している。更に標準装備のタイヤは、横浜タイヤの「アドバン ネオバ(ADVAN NEOVA)AD08R」が装着されている。
マフラーはセンター1本出しタイプ、またオプション(「モデューロ」ブランド)で速度に応じて電動で上下動するアクティブ・リア・スポイラーが用意されている。
インパネはステアリングを中心にドライバーズシートを包み込むようなデザインで、コックピッドのような精悍さを表現。メーターパネルにはホンダの軽自動車としては初めてデジタル式スピードメーターを採用している。外周部分にタコメーターを配置し、内側をデジタル表示のスピードメーターとして大型1眼式のコンビネーションメーターとなっている。
トップにはジャーマンクロス製のソフトトップを採用している。若干、開閉には手間がかかるが、この軽量なルーフは、左右のアタッチメントを外して丸めてフロントトランクに収納する方式だ。そしてオープンにしたときのスタイルは、所謂、タルガトップ仕様となる。
ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,150mm、ホイールベースは2,520mm。車重はMT仕様が830kgでCVT仕様が850kgとされ、燃費はMT仕様だと21.2㎞/L、CVT仕様は24.2㎞/Lと発表されている。
ボディーカラーには、プレミアムスターホワイト・パール、プレミアムミスティックナイト・パール、アドミラルグレー・メタリック、プレミアムビーチブルー・パール、カーニバルイエローII、フレームレッドの6色が用意されている。
この『S660』の一般の市販モデルには、α(218万円/税込)とβ(198万円/税込)の二種類が用意されており、αが上位グレードとなる。メカニズムの面では大きな差異はなく、塗色の選択肢や内外装・シートの違いが主な相違点とのことだ。
更に発売記念として、660台の限定生産モデルである「コンセプトエディション」が販売される。「コンセプトエディション」は238万円/税込だが、ボディーカラ―はプレミアムスターホワイト・パールのみとなる。一般モデルではメーカーオプションとなっている自動ブレーキの「シティブレーキアクティブシステム」を標準搭載するなどの他、001番~660番までのシリアルナンバーが刻印された特製のアルミプレートが室内に飾られるという。
ニュースリリース → http://www.honda.co.jp/news/2015/4150330-s660.html
国内での月間の販売目標は800台とのことだが、このクラスは、もともとそれほど大きな市場規模ではないので、ちょうどいい線ではないだろうか。
間違いなく、ホンダの新生ライトウエイトスポーツの代名詞として、期待の集まる1台である…。
-終-
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