「終末時計」とは? あとわずか数分で地球は滅ぶ・・・・ 〈1647JKI24〉

時計3ダウンロード皆さん、「終末時計」をご存知ですか? 1947年から始まった、人類や世界の滅亡に向けたカウントダウンだと聴いていましたが、残された時間は一方的に減少していくのではなくて、その時々の状況で伸び縮みするんですね。知らなかったなぁ・・・。

 

1月22日に米国の科学雑誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ/全米原子力科学者会報』(Bulletin of the Atomic Scientists)が、「終末時計」の残り時間の改訂を発表しました。(ロイター、AFP等による)

これまで地球の破滅まで残り5分だった「終末時計」の針を一挙に2分進め、気候変動や核軍縮の取り組みが停滞しているとして、残り時間を3分としましたが、「終末時計」の時刻が変わるのは3年ぶりです。また残り3分になったのは1980年代の冷戦期以来で、同誌の強い危機感を示しているといえるでしょう。

詳しい理由としては、世界各国の指導者たちの怠慢で、地球温暖化などが原因の気候変動を防ぐ取り組みが不十分であったり、アメリカ、ロシアなどの核保有国間での核軍縮に関する交渉が遅々として進まないことなどが挙げられています。

 

「終末時計または世界終末時計(Doomsday clock)」とは実際の時計ではなく、核戦争などによる人類・世界の滅亡(終末)を午前零時とし、その終末までの時間を「残りあと何分」という形で表す仮想の時計です。人類滅亡の恐れが高まれば残り時間は減らされ、逆に危険性が下がれば針は戻されることもあります。

この「終末時計」は、『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』誌が1947年以降、委員会/事務局を設けてその「残り時間」に関して検討し状況や環境の変化に応じて適時、修正・変更を行っているものであり、当該誌の毎年の新年号の表紙などで掲載・発表されています。

 

↓「終末時計」の残り時間推移 

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「終末時計」の考え方は、日本への原子爆弾投下から2年後の1947年に誕生しましたが、核戦争による人類滅亡が現実の脅威となった為に提唱されたと云います。

午前零時(つまり人類や世界の終り)に最も接近したのは1953年~1959年で、米ソが競って(水爆を含む)核実験を実施、冷戦構造が確立したのを受けて滅亡まで残り2分となっていました。

その後、ソ連が崩壊し冷戦が終結した後には針は戻されて、1991年には残り時間が17分となり人類の滅亡は一旦遠退いていました。

しかし1995年以降、再び「残り時間」は減少していきますが、これには1989年以降から、核戦争の危険性だけではなく、地球規模の気候変動や環境破壊、生命科学の誤った利用による人類へのマイナス面なども考慮・検討して残り時間が決定されていることが大きく影響しているようです。

「終末時計」は人類が生み出した諸々の科学技術によって、世界や文明が滅びる可能性に警鐘を鳴らすのが狙いですが、5年前の残り6分から3年前には核軍縮の努力が足りないとして残り5分となっていました。

今回は残り3分、核兵器削減努力の大幅な停滞に加え地球温暖化対策の遅れ等が強く指摘され、「終末時計」事務局は各国の指導者に対し、スピードと規模の両面で対策を強化するよう求めています。

 

地球温暖化や環境破壊は止まりません。また、エボラ出血熱などの感染病などの脅威もあります。

国際情勢も、ウクライナを巡る欧米とロシアの対立や全世界的な文化・宗教対立とも言えるイスラムテロの問題、我国周辺でも中韓との歴史認識の違いや依然として北朝鮮問題などがあります。

世界を取り巻く状況は確実に危機に瀕している様に思えますが、さて今後の「終末時計」の針はどちらに向かって進むのでしょうか・・・。

-終-

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