《ネコ好きの談話室》 我が家のネコちゃんの起源は何処!? 〈1619JKI27〉 

エジプト

従来、ネコが人間と共生し始めたのは紀元前4,000年頃のエジプトだと言われていました。

上エジプト(Upper Egypt)のバダリ(Badari)地方にあるモスタゲッダ(Mostagedda)遺跡では、人間と一緒に埋葬されているネコの亡骸が発見されていて、この時代からネコが人間のペットとして飼われていたことを示しています。

有名な話ですが、古代エジプト文明におけるネコは、大変、神聖視されており、神の使いとされていました。また、紀元前1500~前1300年頃には家畜化されていたという証拠も複数あるようです。

 

キプロス

しかし2004年8月に、地中海のキプロス島で約9,500年前のシルロカンボス(shillourokambos)遺跡の墳墓から人間と共に埋葬されたネコの遺骨が発見されました。このことで、上記のエジプト文明以前に人間と共生・家畜化していた可能性が出てきました。

ネコがいつ頃から人間の家畜化されたのかについては、正確な年代は確定していませんが、しかしシルロカンボス遺跡での遺骨発見から推測すると、約9,500年前頃には人間と何らかの形で生活を共にしていたと考えられており、本稿はその説に拠っています。

 

日本のネコ

地理的に大陸から切り離されていた日本列島には、元来、イエネコは存在していなかったとされています。

歴史上初めて文献に登場するのは『日本霊異記』(平安時代前期の成立)においてであり、死後にネコに転生した奈良時代の人物のことが描かれています。

現実には、既に奈良時代において穀物倉庫の番人として、また経典などの大事な書物を鼠から守るハンターとして、ネコは中国から輸入されていた様ですが、ペットとして飼育されたとの記述が見られるのは、平安時代以降になってからです。

しかし、長崎県壱岐市のカラカミ遺跡(弥生時代)から骨の一部が発見された例があり、紀元前から日本に渡って来ていた可能性が高いとされています。

また我国固有の品種である日本猫に関しては、第二次世界大戦終結後に一挙に海外から多様な品種が流れ込み、更に爆発的なシャム猫ブームなどを経て外来種との混血が急速に進み、現在では日本猫の絶滅が危惧されています。

 

現在、世界中の何処にでも存在する「イエネコ」ですが、よく考えると彼らは人為的に広まったのであり、地球上において、それぞれの地域の生態系にとっては外来種であることを、忘れてはなりません。

彼ら(ネコたち)を屋外で野放しにする場合(飼育放棄など)、元々の生態系が崩れる可能性に強い配慮が必要なのです・・・。(例えば、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナの保護などでの野ネコ対策など)

-終-

 

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