地球が太陽の周りを回っていることは誰もが知っていると思いますが、太陽が太陽系の惑星や衛星などを引き連れて、銀河系の中を移動していることや、そして私たちの銀河系(以下、天の川銀河)自体も、更には他の多くの銀河も各々移動を続けているのをご存知ですか?
地球の自転速度は、赤道付近上で時速約1,674kmです。また地球が太陽の周りを回る公転速度は、時速約108,000km(秒速約30km)です。
そして太陽系は、時速約864,000km(秒速約240km)で天の川銀河(Milky Way)の中を移動しています。私たちは、太陽系内の各惑星などは静止した太陽の周囲を回っているようなイメージをもっていますが、実際には皆、太陽と一緒に高速で移動しているのです。
※太陽の移動速度は秒速217km、220km、230km、232kmなど諸説あります。
太陽系と天の川銀河の中心までの距離は約26,000~28,000光年であるとされており、太陽系の公転(銀河系内の回転)により約2億2,000~2億5,000万年で天の川銀河を1周しているとされています。
※国立天文台によると距離約26,100光年、速度秒速約240kmです。
※天の川銀河は直径が約100,000光年です。
※太陽系が生成されてから、まだ20~25回くらいしか周回していません。
太陽系全体の移動に関しては言葉では分かり難いのですが、下記の動画を見てください。きっとご理解頂けると思います。
↓『The helical model – our solar system is a vortex』より 提供:DjSadhu
また私たちの銀河系は、時速約2,160,000km(秒速約600km)の速度で宇宙空間の中を移動しているという説があります。
アインシュタインの特殊相対性理論によれば宇宙空間においては物体の絶対速度という考え方には意味がなく、物体の運動は常に他の物体に対する(相対的な)運動として特定しなければなりません。
しかし全宇宙の中心点のような天の川銀河の運動の基準となるような特別な慣性系は存在しませんから、近辺の他の銀河の観測位置に対して私たちの銀河系の位置の変化から速度を割り出しています。そこで研究者によりこの値は毎秒約130kmから1,000kmまでと大きなばらつきがあるのです。
上記に示した数値、毎秒約600kmで運動しているとすると、私たちは1日に5,184万kmほど移動しており、1年間では189億km以上移動することになります。
尚、私たちの銀河系の移動方向は、うみへび座の方向だと考えられています。
そして天の川銀河や他の銀河も、宇宙全体が加速度的に膨張を続けていますので、時速約3,600.000kmで外縁に向けて移動しているといわれています。
因みに、私たちの銀河系(天の川銀河)に近い(隣接している)アンドロメダ銀河は、時速約439,200km(秒速約122km)のスピードで私たちの銀河系に接近しています。その為、約40億年以内には天の川銀河とアンドロメダ銀河は衝突する可能性があるのです。
この二つの銀河が衝突しても、互いの距離から個々の太陽などの恒星等が衝突し合う可能性は極めて低いのですが、衝突から約20億年後には合体して1つの巨大な楕円銀河「ミルコメダ (Milkomeda)」を形成すると考えられています。
《参考》
・「音速」は、気温15℃、1気圧1,013hPaの場合で時速約1,225km(秒速約340m)となります 【マッハ1】。
・「光速」は、(光は電磁波の一種で)速さは時速約1,080,000,000km(秒速約300,000km)《時速約10億8千万km・秒速約30万km》です。
・「光年」に関しては、光の速さで進める距離のことです。1光年は約9兆4,600億kmとなります。
・「パーセク」とは、天文学で使われる距離の単位で1パーセクが約3.26光年です。
銀河を旅する太陽を取り巻く惑星たちの動きは、まさしく『螺旋』そのものです。それはDNAの形状などにみえる、まさしく生命の原点とも言える形でしょう。
上記の動画にも示唆がありましたが、そんな見方で『螺旋』を描きながら宇宙の中を移動している太陽系を思い描くと、それ自体が巨大なひとつの生命体の様に思えませんか?
-終-
【注意】この記事に記載されている内容は、記事の公開日時当時のものであり、その後に新たな発見や有力な学説が発表されていても、原則としてそれらを含まないことを、ご了承ください。
【参考】注目記事 ⇒ 銀河から銀河へ移動か 超高速で飛び回る星を発見 オランダの研究チーム
✱天文学注目記事 ⇒ ベテルギウスは何時(いつ)、超新星爆発するのか!? 〈416JKI11〉
《スポンサードリンク》