シャーロット《Charlotte》王女の名前研究 〈1647JKI24〉

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イギリス人は、何でも賭け事の対象にすることで有名ですが、ウィリアム王子とキャサリン妃の第2子の王女の名前についても大手ブックメーカーの予想では、「アリス」と「シャーロット」が1位、2位を争っていました。

結果は2位の「シャーロット」に決まりましたが、この「シャーロット」にはどんな意味があるのでしょうか?

 

5月2日に誕生した、英国のウィリアム王子とキャサリン妃の第2子が「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」と命名されました。

英国王室は名前の由来については公表していませんが、ミドルネームの「エリザベス」は現在のエリザベス2世女王から、また、「ダイアナ」は、1997年に交通事故で亡くなったウィリアム王子の実母である故ダイアナ元皇太子妃にちなんだと考えられます。

特に英国民には、ダイアナ元皇太子妃と同名がミドルネームに入ったことに大きな関心が寄せられており、「ダイアナ」が入ったことで大変素晴らしい名前になった、彼女(元皇太子妃)に敬意を表したことはとても良いことだ、といった意見が大勢を占めている模様です。

 

さて、では「シャーロット」という名前に関してはどうでしょうか?

「シャーロット」は、英語圏の国では取り立てて変わった名前ではありませんが、今回の命名に関しては、可愛らしくて素敵だ、「アリス」とは甲乙付け難いが美しい良い名前だ、との意見が圧倒的な様です。

そしてこの名前は、19世紀前半、英国王室の3人の王妃・王女(後述)の名前と同じで、ウィリアム王子の父であるチャールズ皇太子の名前の女性形でもあります。また、キャサリン妃の妹さんのミドルネームとも同じだということです。

尚、シャーロット Charlotte は、フランス語圏では シャルロット に、ドイツ語圏では シャルロッテ となります。また愛称は、チャーリー Charlie が一般的です 。

更に現在、父ウィリアム王子がケンブリッジ公であることで、王女は「プリンセス・シャーロット・オブ・ケンブリッジ」の称号を与えられ、「シャーロット王女」と呼ばれます。また王女の英国王位継承順位は、祖父チャールズ皇太子、父ウィリアム王子、兄ジョージ王子に次ぐ第4位となります。

ケンブリッジ公 Duke of Cambridge は、英国王室保有の公爵位の一つです。英国王室の比較的年少の有力王族に対して授与されてきました。名称はその名の通りケンブリッジに由来します。イングランド王ジェームズ2世が息子のチャールズ・ステュアートに対して1660年に(形式的に)授与したのが最初ですが、公式には1664年にジェームズ・ステュアートが創設しました。途中、幾度となく血統は絶えますが、2011年4月29日にウィリアム王子がキャサリン・ミドルトンさんと結婚したことで、エリザベス2世女王によって叙爵され、新たなケンブリッジ公爵家が創設されました。

 

ちなみに、過去の英国王室の「シャーロット」妃たちを簡単に紹介すると、

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シャーロット王妃

まず最初が、ソフィア・シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ Sophia Charlotte of Mecklenburg-Strelitzで、1744年5月19日に生まれ1818年11月17日に亡くなった国王ジョージ3世の王妃です。メクレンブルク=シュトレーリッツ公子カール・ルートヴィヒの末娘で、ドイツ名はゾフィー・シャルロッテ・フォン・メクレンブルク=シュトレーリッツ Sophie Charlotte von Mecklenburg-Strelitzと言います。兄にメクレンブルク=シュトレーリッツ大公のアドルフ・フリードリヒ4世やカール2世がいます。

英国国王の王妃候補として選ばれた彼女は、1761年9月8日に挙式、即位後戴冠式を延期していたジョージ3世は、同月22日に王妃とともに戴冠式を行いました。

彼女の子供には、ジョージ4世ヨーク公フレデリックウィリアム4世ケント公エドワードヴィクトリア女王の父)、ハノーファー王エルンスト・アウグストら9男6女がいます。良妻賢母であり、たびたび病におかされた夫ジョージ3世を献身的に介護したとされています。

音楽などの芸術にも理解が深く、ヨハン・クリスティアン・バッハや、モーツァルトの後援者でした。また、ロンドンのキューガーデンの設立にも協力し、有名な陶磁器ブランドのウェッジウッドに対して「クイーンズウェア」の称号を与えています。

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