正直なところ、私は好きじゃありません!
酢豚にはパイナップルは絶対に合わないと思うし、他の果物(フルーツ)を「おかず」の食材とする食べ方は嫌いなのです・・・。
以前、何かのアンケートで、私と同じ意見の人が2/3位(つまり多数派)いたのを覚えています。
でも、じゃぁどうして酢豚にはパイナップルが入っているのか? って聞かれそうなので、ちょちょいと調べてみましたぁ~♪
酢豚にパイナップル以外にも、ポテトサラダにみかんが入っているものとか、カレーライスにうさちゃんリンゴが載っかているヤツ、逆パターンですがメロンの上に置かれた生ハムとか。隠し味的な使い方はともかく、その果物の形をそのまま残して調理されている場合は絶対NGなのですが、こうした私の意見はさておき、何故、酢豚にパイナップルなのかを調べてみました。
結論からいうと、その理由はパイナップルを一緒に入れて料理すると肉が柔らかくなるから、というものが意外にも最右翼でした。
そして次が、酢豚独特の甘酸っぱさを増幅させることを狙ったというもので、あの独特の甘酸っぱさを引き出すのに、単純にパイナップルの味が向いていると多くの中華料理のシェフが考えたとされているのです。
料理人といえば別の説として、中国の清の時代の料理人たちが、欧米人向けに食べ易くて高級感がある料理を考案しました。それが、今でいう酢豚に、当時珍しくて高級食材だった南洋の果実パイナップルを加えたメニューだったというのです。パイナップル自体が希少であっただけではなく、味に深みやコクを増すと考えた様だとのことですが、その根拠は不明です。
しかし個人的に支持したい説としては、パイナップルには食欲を増進させる働きのあるクエン酸やリンゴ酸などが含まれている為、脂っこい酢豚を食べる上での食欲増進効果があるだろうというものです。
そして私にとっては、酢豚にパイナップルを入れる理由として最も納得出来そうなのが、ブロメリンの存在です。このブロメリン(Bromelain)という酵素は、パイナップルに含まれる消化酵素の一つで、タンパク質を分解する能力が高く、胃腸の負担を軽減して消化吸収をサポートし、肉を柔らかくするともいわれています。
つまり、この酵素が肉を柔らかくすると考えられているが故に、これが最初に挙げたパイナップルを入れる本来の理由なのです。
またブロメリンには、怪我や筋肉の炎症による腫れや痛みを抑制したりする効果もあるとされます。
但しブロメリンは60度以上で加熱調理すると、その効果が失われてしまうので、他の具材と一緒に加熱するときにパイナップルを入れてしまうと肉を柔らかくする効果も期待出来ません。ブロメリンの効果を引き出す為には、生のパイナップルを後で入れる方法が正しいのです。
ですから、よく見かける酢豚の調理法でパイナップルを他の食材と一緒に火を通しているのは、肉を柔らかくする目的であれば間違った方法なのです。
尚、缶詰のパイナップルを使用したのでは、熱処理されているので上記の効果はありませんから、余程、生のパイナップルジュースを食事の時に一緒に飲むほうが良いかも知れません。
因みに、パイナップルに豊富に含まれる食物繊維には、腸内を浄化し毒素を排出するする作用もあるので、下痢や消化不良などの消化器系の障害にも効果があるそうです。
更に、パイナップルは豊富なビタミン(A、B1、B2、Cなど)、そしてカルシウムや鉄分などのミネラルを多く含有していますので、それはそれで健康的な果物なのですが…。
この様に、酢豚とパイナップルを一緒に食べるメリットは確かにあるんですネ。そこでご提案です。酢豚にパイナップルを入れるのならば、形を残さずに調理の後に生のものをすりおろして使うなど、料理の隠し味として使う方法を選択すれば、私のような人間にも受け入れられるのではないでしょうか。どうしてもと言うのならば、生絞りのジュースを別途、用意してください!!
-終-
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