名古屋市が、SLを借り受ける交渉で静岡県島田市の大井川鐵道から断られていたそうです。困ってしまった名古屋市に、誰かSLを1台貸して下さい!
名古屋市は26日、あおなみ線で蒸気機関車(以下、SL)を走らせる構想に関して、SLを借り受ける交渉をしていた大井川鐵道から、断りの意向があった、と発表しました。
しかし名古屋市の河村市長は、「(借り受け先は)大井川鐵道に限って考えているわけではない。あきらめたわけではない」と述べ、引き続きSL運行の企画実現を模索するようです。
名古屋市では、来年度(2016年度)から年間で2日程度、おおなみ線(名古屋駅~金城ふ頭駅間)でSL牽引の特別列車を運行させようと、2015年度当初予算に「環境影響調査費」など約2千万円を計上していました。
しかしこの予算の執行に関しては、市議会が2月の定例会で大井川鐵道との合意を条件としている為、今回の回答で予算執行は凍結されると見込まれています。
そこで6月定例会では、この構想自体の根本的な是非をめぐる議論が活発化すると思われます。
静態保存中のSLは多数あれども、再生・整備には時間と多額の費用がかかるし、遠隔地からの運搬や保守メンテのことを考えると、現在SL運行中で近場の大井川鐵道(即戦力)の支援に期待したのも頷けます。
でも断られた経緯が詳しくは解りませんが、大井川鐵道にも貸し出すほどの余剰の機関車(複数保有のC11でしょうか?)と体制は無いような気もします。
他にも、借り受け可能なSLはありましたっけ? でもやはりJRの動態保存機以外は有り得ないでしょう。しかし相変わらず人気のSLですから、常に引っ張りだこ状態で貸してくれる機関車を見つけるのは難しいのでしょうネ。
そしてまた、この様に安易な企画で人気のSLを走らせようという名古屋市の考え方に、大きな疑問を感じるのは私だけでしょうか・・・。
-終-
【追加情報】
日本経済新聞によると、大井川鐵道は5月28日、政府系ファンドの地域経済活性化支援機構に事業再生支援を申し込む方針を固めたという。
1925年設立の大井川鐵道は、現在、2路線で合計65kmほどを運行しているが、沿線人口の減少と観光収入の削減で2014年3月期までに3期連続の最終赤字を計上しており、全社をあげて経費削減を進めていたが、経営は非常に厳しい状態だ。
→やはり、名古屋市のSL運転を支援している余裕はないのだろう。
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