あのコルトに倒産の可能性が濃厚な様だ・・・。銃器市場の縮小が要因のひとつだそうだが、それ自体は大変喜ばしいことながら、コルトのブランドが世界から消えるのは、少々、寂しい。
ロイター通信が9日に伝えたところによると、世界的に有名な米国の銃器メーカーのコルト・ディフェンスが来週にも破綻する可能性があるとのことだ。
銃器市場の低迷や商品開発の失敗などで売り上げが大幅に減少、資金繰りが大きく悪化している為だという。
またコルト・ディフェンスは、米国の国防予算削減の影響で軍との契約の一部が解除となり、約3億ドル(約380億円)以上の負債を抱えることになり、この結果、5月には一部の支払いが不履行となったとブルームバーグ通信は報じた。
こうした状況を受けて、米国の格付会社スタンダード&プアーズは同月にコルト・ディフェンスの信用格付をデフォルト(債務不履行)状態を示す最低ランクの「D」に引き下げたという。
尚、コルト・ディフェンスColt Defense LLC は軍需・官需向けの銃器製造会社であり、民需向けの同ブランドはコルト・マニファクチャリング・カンパニーColt’s Manufacturing Company(MCM)LLC が担当している。
企業サイト → http://www.colt.com/
コルトは、世界で初めて実用的なリボルバー(回転)式拳銃を発明したサミュエル・コルト大佐(1814年7月19日~1862年1月10日)が、1836年に創業した米国を代表する銃器メーカーであり、銃器の歴史を語る上では欠かせない重要な位置を占める企業である。
19世紀後半にはM1851やSAA /ピースメーカーが米国陸軍の制式拳銃となり、20世紀初頭にはジョン・ブローニングが設計したM1911/ガバメントを開発。この傑作自動拳銃は、1985年まで70年以上に渡って米軍制式に採用され主力拳銃の座を占め続けた。
しかしガバメントの代替制式拳銃にはイタリアのベレッタM92(軍制式コードM9)が選定され、また従来はリボルバー式拳銃が主流だった警察や民間警備会社などにおいても欧州製の自動拳銃の需要が高くなり、コルトの業績は次第に悪化してきていた。
最近では、ライバルのスミス&ウェッソン(S&W)に拳銃市場のシェアで大きく差をつけられ、拳銃製造部門を縮小、現在でも生産を継続している拳銃は定番商品であるSAAシリーズとガバメントのみとなっていた。
ちにみにコルト・ディフェンスは、拳銃の他に有名な自動小銃M16シリーズやM4カービンのシリーズ、M203グレネード・ランチャーなども生産していた。
リボルバー式拳銃ならばピースメーカーのシリーズ、自動拳銃ならばなんと言ってもガバメントのコルトだが、CMCが健在であれば民生品の製造・販売は続くんだろうか?
また、M-4などの自動小銃やグレネード・ランチャーの製造権利はどこが引き継ぐのだろうか? 気になるところだ‥。
-終-
【続報】
メーカーコルト・ディフェンスは6月15日までに、米国デラウェア州の裁判所に日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請した。今後は、銃器の製造を継続を目的として事業の売却を進めるという。
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