JR東海は5月11日、在来線の線路状態などを検査する特別車両『ドクター東海』を名古屋市内で報道関係者に公開しました。
この車両は、めったに見られないことから鉄道ファンの間で「見ると幸せになる」と噂される新幹線の検査車両『ドクターイエロー』の在来線版ですが、 こちらも月間で2回程度しか走行せず、当然、運行ダイヤも非公開の為、ファン垂涎の幻の車両なのです。
『ドクター東海』(正式名称はキヤ95系事業用気動車)にはDRⅠとDRⅡの二編成(各3両で編成)があり、今回公開された編成はDRⅡで外観は通常の在来線と同様ですが、『ドクターイエロー』と同じくカラーデザインは黄色を基調にしています。6両全車が日本車輌製造で製造されて、すべてが名古屋車両区に配備されています。
車内には色々な計測機やモニター等の機材が搭載されている他、会議室などの設備もあります。尚、最高速度は120km/hですが、高い測定精度を確保する為、並びに非営業目的の為に高速運転を必要としないことなどの理由から振り子装置は搭載されておらず、厳しい曲線では速度制限があります。更に、気動車ではありますが、車両には架線との接触状態などを確認する為の下枠交差式パンタグラフが1基搭載されています。そしてこのパンタグラフの近くには、状況視認用のドーム小窓が設置されているのです。
JR東海によると、レーザーによる新しいセンサー測定装置を新たに搭載するなど、機能を大幅に強化し操作も簡略化されて使い易くなったといいます。 また沿線の設備や樹木の状況を把握するカメラも高画質化し、線路のボルトの緩みを検知する精度はこれまでの1mm単位から0.1mm単位に向上したと発表されました。
※当日は、午前7時頃に報道関係者を試乗させて名古屋市内を出発して、係員が慎重に検査を行いながら岐阜市内までを往復したそうです。
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