ニューヨークの街で『マンハッタンヘンジ』を観る!! 〈416JKI18〉

マン7c0156996_3483741ニューヨーク市マンハッタン島の碁盤の目状の大通りに沿って日が沈む自然現象『マンハッタンヘンジ(Manhattanhenge)』が5月30日に発生し、夕暮れ時のニューヨーク市内にオレンジ色の一筋の光が差し込んだ…。 

【本記事は2014年6月1日現在のものである】

 

マンハッタンヘンジ Manhattanhenge とは、米国のニューヨーク市マンハッタン区の碁盤の目状の大通りの中で、東西方向に走る通りにちょうど沿って太陽が沈む、もしくは昇るとういう、各々年に2回起こる現象のことである。

この言葉は、春分・秋分の時に英国のストーンヘンジで起きる太陽の運行がみせる劇的な現象から派生した新語である。2002年頃にアメリカ自然史博物館の天体物理学者であるニール・タイソン Neil deGrasse Tyson の提唱によって、一般に広まったとされる。

 

1811年委員会に従ったニューヨークの都市計画の特徴は、道路を格子状に配列するグリッドプランであり、正確な東西方向から29.0度の補正を加えた東西に延びているマンハッタンの道路は、西側が北方に29.0度ほど上がっている。言い換えれば、マンハッタンの東西方向の通りは真の東西方向に比べて、真北を0度とすると、これらの道路の西端は270度+29度で299.0度となるのである。つまり、この角度にぴたりと沿って太陽が昇り、そして沈む運動が1年に各々2回ほど訪れるのがマンハッタンヘンジである。

このマンハッタンヘンジが発生するタイミングには、マンハッタンの東西に走る通りから見ると、太陽がその通りの中央線に沿って東側のロングアイランドから昇り、または西側のニュージャージー方向に沈んでいく光景を観察できるのだ。

 

この現象は上述の通り、1年に2回だけ見ることができる特別な日として、英国にある古代遺跡のストーンヘンジにあやかり命名された。

日没の方は、東西方向の通りにちょうど沿って太陽が沈むとういう1年に2回起こる現象で5月と7月の年2回、通常は5月28日と7月12日または13日の前後に起こり、これらの日は夏至から等間隔の期日である。

日の出の方は、およそ12月5日と1月8日の前後であり、これも冬至を挟んで等間隔に起こる。しかし、至点(夏至・冬至)および分点(春分・秋分)と同様に、これらの日にちは年によっては若干のバラツキがある。

ちなみに、同様の現象はマンハッタン以外の碁盤目状の通りを持つ都市でも見ることができる。北米大陸では、米国のボルチモア、シカゴ、カナダでは、トロント、モントリオールなどの都市で同じ現象がみられる。

もし、通りの方角がちょうど東西方向と一致し、この通りと直角に交わる道路の北側が北磁極ではなく真北と完全に合致しているのならば、このような現象が起こる日時は春分点と秋分点とに一致する。

 

さて、この29日はあいにくの曇り空で観察できず、30日も夕方から雨で降り出していたが、日没前の20時頃から太陽が覗き、今年のマンハッタンヘンジもまたニューヨークっ子を魅了した。次回は7月11~12日に起きると想定されている。

東西に走るストリートから見上げる太陽がビルとビルの間に沈む光景は、市民や観光客に絶大な人気を誇っている。

-終-

【参考】2017年のマンハッタンヘンジ日程
・5月29日(月) 午後8:13(ハーフ)
・5月30日(火) 午後8:13(フル)
・7月12日(水) 午後8:20(フル)
・7月13日(木) 午後8:21(ハーフ)

 

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