JR東日本が、山手線におよそ半世紀ぶりとなる新駅を設置することとなった。新駅の設置場所は、現在の品川駅と田町駅の間となり、併せて駅周辺の再開発も行われる予定。今回の新駅は、2020年の東京オリンピック開催までには開業される見通しだ。
山手線の新駅設置の発表は、昭和46年(1971年)の西日暮里駅の開業以来43年ぶりのことである。またこの新駅の場所は、現在は車両基地があるところで、泉岳寺や芝浦にも近接した地区のため、都営地下鉄や京急線への乗り換えも便利となると思われる。周辺はオフィスビル等も多い街だけに、新駅設置は大歓迎されるだろう。
新駅は京浜東北線の停車駅ともなる模様だが、駅名は北品川、泉岳寺、芝浦、等々が候補となっている様子だ。まだ新駅開業の具体的な時期は固まっていないが、遅くとも東京オリンピックが開催される平成32年(2020年)までには開業する見込みで、完成すれば山手線では30番目の駅となる。詳細は、近々にJR東日本から発表されることとなっている。
JR東日本では、上野駅と東京駅の間の約3.8キロを結び、来年春には新線の上野東京ライン(東北縦貫線)として東北線・高崎線・常磐線と東海道線の直通運転を実現させるが、この運転を始めるのに伴い、品川車両基地(含む田町車両センター)を縮小して移動する工事を実施してきた。現在の山手線や京浜東北線の線路を、この車両基地縮小等により生まれたエリアの東側部分に移設した上で、新駅は従来の山手線や京浜東北線の線路あとに設けられる見込みだ。
以前から、上記の広大な車両基地の存在と、品川・田町駅の間隔が2.2kmと山手線では最も長いことから、駅を新設するのならばここしかない、と言われてはいた。
更にJR東日本では、将来的に現在一部休止中の東海道貨物線を活用し、不足部分は新線を建設して羽田空港に乗り入れ、北関東地域からの電車を上野東京ライン経由で羽田空港まで直通運行する構想も描いているそうだ。
乗降可能駅の増加で山手線と京浜東北線のラッシュ時の混雑が更に増すのではないか、という疑念の声もある。
しかし近年、品川から同地区周辺にかけては高層マンションや大型オフィスビルが相次いで建設されたこともあり、車両基地の跡地を活用した大規模な再開発には大きな期待が集まっているのも事実だ。
どちらにせよ、新駅の開業で、周辺地域の交通利便性が格段に向上することは間違いない。
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